常に動き続ける為替レートですが、どのようにしてこの為替レートが動くのか。
それは根本的には2国間の通貨の需要(買い)と供給(売り)のバランスで決まります。
それでは、その変動要因について挙げてみましょう。
【CONTENTS】
為替が変動する要因
景気動向
景気が良いと、その国の株式や債券に投資が集中したり、金利上昇の期待から海外から資金が流入します。
その結果その国の通貨の需要も増え、通貨高につながります。
金利
金利が低い国に預けておくより、高い国に預けておく方が利益が大きくなりますので、金利が低い国から、高い国へ資金は移動します。
つまり金利が高い国の通貨が買われ、通貨高になります。
輸出入のバランス
例えば日本企業がアメリカに製品を輸出した場合、その代金として受け取ったドルを、日本の業者や従業員に支払うために円に変えなければなりません。
ドルが売られ円が買われます。
逆に輸入する場合は円が売られドルが買われます。
つまり、輸出が増加すれば円高に、輸入が増加すれば円安に動きます。
その他の要因
それ以外では、国際情勢や、要人の発言、政府の市場介入や災害など、様々な要因で為替レートは変動します。
どのようなニュースでどのように為替が動くのか、日々ニュースとチャートをチェックして経験を積むことが重要になります。
円高・円安とは
為替レートが変動する理由が分かった所で、次に、よくニュースなどで耳にする円高・円安について説明いたします。
円高とは
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値が高いこと。といわれるとよく分かりませんが、
つまり、円が他の通貨より価値が高くなると円高、低くなると円安という事です。
1ドル=100円と1ドル=50円はどちらが円高でしょうか。
答えは1ドル=50円です。
考え方は簡単で、1ドルという商品を買うのに100円で買える、か、50円で買えるか、です。
1ドルという商品が、100円から50円に価値が下がった。
1ドル=50円の時に100円で1ドルという商品が2つ手に入ります。
つまり、1ドル=100円→1ドル=50円になったという事は、円の価値が2倍になったという事です。
円安とは
逆に円安とは、1ドル=50円→1ドル=100円になった場合、1ドルという商品が50円で買えていたのに、100円出さなければ買えなくなった。
つまり、1ドル=100円の方が円の価値が下がり、円安という事になります。
円高と円安、どちらがいいのか?
2008年のリーマンショックの影響で、一時期1ドル75円まで下がりました。
2021年現在は1ドル110円前後を行き来していますが、円高と円安、どちらがいいのでしょうか。
例えば円高になるとガソリンや海外商品が安く輸入できるようになる為、消費者にとって目に見えるメリットにつながります。
円高・円安それぞれのメリットとデメリットを上げてみましょう。
円高のメリットとデメリット
先にも挙げましたが、円高になると海外の商品が安く輸入できるようになる為、海外の商品が安く手に入ります。また、少ない日本円で多くの外貨に両替できるため、海外旅行も行きやすくなるでしょう。
輸入が有利になる一方、国内の輸出企業の利益が減ることになります。
例えば日本企業がアメリカで10ドルの商品を売ったとしたら、1ドル=100円の時は10ドル=1000円の利益になります。
しかし1ドル=50円の場合、10ドル=500円の利益にしかなりません。
円高になったからと言って10ドルの商品を15ドルに値上げしたら、今度は売れなくなってしまいます。
円安のメリットとデメリット
円安になった場合のメリットは、輸出企業は外貨をより多くの日本円に転換できるようになる為、輸出企業の売上が上がります。車や電化製品など日本の経済の柱ともいえる大企業が潤えば、日本全体の景気にも影響が出るでしょう。
一方、海外の商品やガソリンなどの値段が上がったり、海外旅行の際、両替で獲得できる外貨が少なくなるので、海外旅行が割高になるなどのデメリットが発生します。
まとめ
円高・円安とも、一長一短でどちらがいいと断言することはできません。
海外旅行が好きな人は円高の方がいいだろうし、輸出企業に勤めている人は円安の方がボーナスが増えるのかもしれません。
どちらにせよ極端な円高・円安は避けるべきだとは思います。